私、臨床検査技師として病院に勤務しております。検査といっても数々。
検査の中でも、私は病理検査に携わっております。
病理検査とは、手術で摘出した組織や腫瘍、内視鏡検査などで採取した組織などを薄く切り、標本にして、顕微鏡で観察します。
そしてその組織が良性か悪性か、癌の場合、浸潤がどこまで及んでいるかなどを検査します。
そうした診断は、病理医がするのですが、標本にするまでの過程は検査技師が行っております。
標本を作る工程は、とても大変です。
採取した組織から重要な部分を切り出す作業。それらを薬品に漬けて標本にしやすくする作業。柔らかい組織では、薄く切れないため、パラフィン(蝋)に入れて固める作業。蝋で固まった組織を薄く切りスライドにはりつける作業を経て染色し、やっと標本が出来上がります。
私は主に染色の作業をしています。
基本の染色、HE染色を行うのですが、診断がつきにくかったり、もっと詳しく知りたい場合は、特殊な染色が追加されます。
いろいろな色に染まった標本はとても綺麗で、私は検査の中でもこの仕事が好きです。
こんな感じで染まります。
教科書のアトラスより。
染色する為の染色液も自分で作るのですが、中には、濃度の濃い塩酸や酸化剤、ホルマリン、キシレンなど、劇物、毒物に分類される危険な薬品も使う為、慎重に行っています。
先日は、青く染める染色液をつくりました。
もちろん、手袋をして行っていたのですが、手に染色液がついている事に家に帰って気づきました。
先週の金曜日に付いた染色液が、お風呂で石鹸で念入りに洗ってもまだ落ちません。
インターネットで調べてみると、染色液がついたらまず石鹸でよく洗いましょう。それでも落ちない場合は、メイク落としや、ワセリン、ハンドクリームなどで汚れを浮かせてから洗うと良い。と書いていました。
いろいろ試しましたが、やっぱり落ちません。
いろいろ試しても落ちなければ最後は新しい皮膚ができてくるのを待ちましょう。と書いてありました。皮膚新生、28日で、新しい皮膚に代わるらしいです。
気になって職場の人に聞いてみると、
それって染色液ですか?なんか辺縁がギザギザして染み込んでいるような感じに見えるんですけど…
えっ?
それって悪性黒色腫(皮膚癌の一種)のときの所見ですよね…やばいんですかね?突然現れたんですけど…
ちょっと怖くなってきました。
もしかして、前からあって気付いてなかったんかな…
悪性黒色腫の画像を見ていたら、なんかそれっぽいのもあったりして…
一緒に見ていた息子が心配して、一応検査してみたら?早く行ったほうがいいよ!と言ってくれました。
週末になってもなくならないようなら皮膚科を受診してみようと思います😣